クリニック紹介
■診療内容
診療内容歯科インプラント・歯科口腔外科・審美修復治療・歯列矯正治療・歯周治療・歯科再生療法・一般歯科・小児歯科、高齢者歯科
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トピックス
2013年10月23日 前癌病変について
金子 宗嗣
金子 宗嗣
がん検診や人間ドックなどの検査で、「がん」ではなく「前癌状態」「前癌病変」「異形成」という診断を受けたことがある人もいらっしゃると思います。前癌状態、前癌病変とはその名の通り癌になる手前の状態、病変のことで後者の方が癌化する確率が高いとされています。
例えば子宮頸癌については異形成。皮膚癌についてはページェット病、ボーエン病日光角化症、色素性乾皮症。大腸癌については家族性ポリポーシス、大腸ポリープ。乳がんについては慢性乳腺症。肝癌については肝硬変などが挙げられます。
その中で口腔癌についての前癌病変、前癌状態について代表的なものを紹介します。
口腔癌の前癌病変には白板症、紅板症が挙げられます。
・白板症
口腔白板症とは1978年WHOの診断基準によれば「口腔粘膜に生じた摩擦によって除去できない白色の板状あるいは斑状の角化性病変で、臨床的あるいは病理組織学的に他のいかなる疾患にも分類されないような白斑」と定義されています。高齢者に好発し、50~70歳代に多く、性別では男性に多い傾向があり、女性の約2倍程度とされています。また発生部位は頬粘膜、舌、歯肉・顎堤粘膜、口底、口蓋に多く見られます。真の病因は明らかにされていませんが、誘因としては局所に継続的にタバコ、アルコール飲料、合わない補綴物、歯、あるいは喫煙による刺激、全身的には貧血、ビタミンA,B複合体の欠乏、低アルブミン血症、高脂血症、糖尿病、ホルモン失調などが挙げられます。癌化率は4.4~17.5%とされています。
治療法としては症状が重くなければ誘因と考えられるものを除去した後に経過観察します。重いものについては粘膜の外科的切除を行う場合があります。
・紅板症
紅板症とは、白板症と同様に頬粘膜、舌、口蓋、口底、歯肉、歯茎に好発するものです。粘膜に発赤したビロード状の紅斑ができ、50~60歳代に発症する頻度が高いです。極めてまれな病変ですが癌化率は高く40~50%とされています。
治療法としては癌化率の高さを考慮して外科的切除を行います。その後に長期的に経過観察を行っていきます。
次に前癌状態については様々にありますが、代表的なものを紹介いたします。
・口腔扁平苔せん
口腔粘膜の慢性的炎症疾患で、自覚症状としては、刺激痛、口の荒れを感じることがあります好発部位は頬粘膜で、舌、歯肉にも見られることがあります。口腔外にも発症することがありますが、口腔内については慢性の経過をたどり、多くは寛解、再発を繰り返します。癌化する確率は様々ですが0.4~6.0%とされています。
・鉄欠乏症
鉄欠乏性貧血から嚥下障害をきたし、発症するPlummer-Vinson症候群は口峡咽頭癌や下咽頭癌につながる可能性があります。
みなさまにおかれましても口内炎が出来てしまい、本来それ自体は1~2週間くらいで治癒するものなのですが、いつまでも治りが悪い、出血がある、痛みが続く時などに疑ってみて歯医者を受診されてみることをお勧めします。当院では前癌病変の疑いを認めた際には大学病院、総合病院の口腔外科を紹介させていただく場合があります。
例えば子宮頸癌については異形成。皮膚癌についてはページェット病、ボーエン病日光角化症、色素性乾皮症。大腸癌については家族性ポリポーシス、大腸ポリープ。乳がんについては慢性乳腺症。肝癌については肝硬変などが挙げられます。
その中で口腔癌についての前癌病変、前癌状態について代表的なものを紹介します。
口腔癌の前癌病変には白板症、紅板症が挙げられます。
・白板症
口腔白板症とは1978年WHOの診断基準によれば「口腔粘膜に生じた摩擦によって除去できない白色の板状あるいは斑状の角化性病変で、臨床的あるいは病理組織学的に他のいかなる疾患にも分類されないような白斑」と定義されています。高齢者に好発し、50~70歳代に多く、性別では男性に多い傾向があり、女性の約2倍程度とされています。また発生部位は頬粘膜、舌、歯肉・顎堤粘膜、口底、口蓋に多く見られます。真の病因は明らかにされていませんが、誘因としては局所に継続的にタバコ、アルコール飲料、合わない補綴物、歯、あるいは喫煙による刺激、全身的には貧血、ビタミンA,B複合体の欠乏、低アルブミン血症、高脂血症、糖尿病、ホルモン失調などが挙げられます。癌化率は4.4~17.5%とされています。
治療法としては症状が重くなければ誘因と考えられるものを除去した後に経過観察します。重いものについては粘膜の外科的切除を行う場合があります。
・紅板症
紅板症とは、白板症と同様に頬粘膜、舌、口蓋、口底、歯肉、歯茎に好発するものです。粘膜に発赤したビロード状の紅斑ができ、50~60歳代に発症する頻度が高いです。極めてまれな病変ですが癌化率は高く40~50%とされています。
治療法としては癌化率の高さを考慮して外科的切除を行います。その後に長期的に経過観察を行っていきます。
次に前癌状態については様々にありますが、代表的なものを紹介いたします。
・口腔扁平苔せん
口腔粘膜の慢性的炎症疾患で、自覚症状としては、刺激痛、口の荒れを感じることがあります好発部位は頬粘膜で、舌、歯肉にも見られることがあります。口腔外にも発症することがありますが、口腔内については慢性の経過をたどり、多くは寛解、再発を繰り返します。癌化する確率は様々ですが0.4~6.0%とされています。
・鉄欠乏症
鉄欠乏性貧血から嚥下障害をきたし、発症するPlummer-Vinson症候群は口峡咽頭癌や下咽頭癌につながる可能性があります。
みなさまにおかれましても口内炎が出来てしまい、本来それ自体は1~2週間くらいで治癒するものなのですが、いつまでも治りが悪い、出血がある、痛みが続く時などに疑ってみて歯医者を受診されてみることをお勧めします。当院では前癌病変の疑いを認めた際には大学病院、総合病院の口腔外科を紹介させていただく場合があります。