クリニック紹介
■診療内容
診療内容歯科インプラント・歯科口腔外科・審美修復治療・歯列矯正治療・歯周治療・歯科再生療法・一般歯科・小児歯科、高齢者歯科
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平日9:00~20:00
土曜9:00~18:00
トピックス
2013年3月7日 口腔ケアによって健やかな毎日を 増田里美
増田 里美
増田 里美
特別養護老人ホームから講演依頼を受け、入居者やその家族、介護スタッフの皆さんに「口腔ケアによって健やかな毎日を」という演題でお話をしてきました。
皆さん非常に積極的に参加していただき、日常の診療では味わえない楽しい時間を過ごさせて頂きました。
その内容の骨子は以下のとおりです。
まず、入居者の皆さんに身近な加齢による口腔内の変化をわかって頂き、その対処の仕方を紹介することにしました。
■口腔内の変化に気づきましょう。
1 歯の変化
歯の色は黄色っぽくなったり、茶色っぽくなります。また歯の表面にひびが入ったり、かけたりします。咬む面は摩耗してすり減りが見られます。高齢者の虫歯は歯の根元にできやすく、ひどくなるとそこから歯が折れて、歯の根だけが残ることになります。
2 歯肉の変化
歯肉は下がり、歯と歯の間に食片が残ったり、歯垢が蓄積しやすくなります。歯肉が下がるということは歯を支える骨が下がることなので、ひどくなると歯が長く見えたり、歯が移動して歯並びが悪くなったりします。
3 食物を取り込み(摂食)、かみ砕き(咀嚼)、飲み込む(嚥下)能力の低下
舌・頬・喉頭・咽頭の反射が衰えたり、脳血管・神経系の疾患により、食物を飲んだり食べたりする機能が衰えます。
4 唾液の分泌・口腔粘膜の変化
口腔の粘膜から唾液は分泌されるが、その唾液の分泌が減少し口腔内が乾燥しやすくなります。わかりやすい変化は舌に現れることが多いです。舌が赤くなったり、テカテカと光ったり、口内炎や潰瘍ができることがあります。また口腔内の汚れが舌に蓄積し、舌が白くなったり黒くなったりするがあります。入れ歯を使ってある方は異物感や痛みを感じやすくなったりします。
5 味覚の変化
味蕾(味を感じる細胞)の減少や感受性の低下により、味覚が減少することがあります。
■日常生活で次のことが起こったときのの対処法を述べていきます。
1 よだれが出る、食べ物をこぼす、口が開きにくい
口の周りの筋肉が衰え、食べ物を取り込みにくくなっています。
2 食べる時間がかかる、食べにくい物がある、もぐもぐするが飲み込めない
食物を咬み砕く力が衰えています。
3 上を向いて飲もうとする、なかなか飲み込まない、食べかすが多い
食物を飲み込む機能が衰えています。
4 水でむせる、痰がからんだような声、よく発熱する
食物が食道に入らず気管に入って誤嚥しています。
5 頻繁にお茶を飲む、食べても味がしない、舌・口が痛い
唾液の分泌が減少し、口腔が乾燥しています。
6 入れ歯を入れない、食べる時入れ歯を外す、話がしにくい
入れ歯が合っていません。
1、2、3のような症状には、顔・口唇・首・肩・舌の筋肉や神経系を訓練する体操があります。4の症状は誤嚥性肺炎を引き起こしている可能性があるので、速やかに医科を受診すべきです。5の症状には唾液を分泌する腺の中の3つの大きな唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)をマッサージする方法があります。⑥の症状では入れ歯の調整が必要です。
いずれにせよ、口腔内を清潔に保つことは基本なので、正しい歯磨きの仕方や補助の清掃用具(歯間ブラシ・デンタルフロス・ワンタフトブラシなど)の使い方が大事です。
今回の講演で入居者の方々が皆さんお元気なことや好奇心旺盛なことに驚きました。お年をとられても、自らが望むことを実現する意欲に満ちていました。私たち歯科医師やスタッフが少しでもその助けができれば幸いです。
皆さん非常に積極的に参加していただき、日常の診療では味わえない楽しい時間を過ごさせて頂きました。
その内容の骨子は以下のとおりです。
まず、入居者の皆さんに身近な加齢による口腔内の変化をわかって頂き、その対処の仕方を紹介することにしました。
■口腔内の変化に気づきましょう。
1 歯の変化
歯の色は黄色っぽくなったり、茶色っぽくなります。また歯の表面にひびが入ったり、かけたりします。咬む面は摩耗してすり減りが見られます。高齢者の虫歯は歯の根元にできやすく、ひどくなるとそこから歯が折れて、歯の根だけが残ることになります。
2 歯肉の変化
歯肉は下がり、歯と歯の間に食片が残ったり、歯垢が蓄積しやすくなります。歯肉が下がるということは歯を支える骨が下がることなので、ひどくなると歯が長く見えたり、歯が移動して歯並びが悪くなったりします。
3 食物を取り込み(摂食)、かみ砕き(咀嚼)、飲み込む(嚥下)能力の低下
舌・頬・喉頭・咽頭の反射が衰えたり、脳血管・神経系の疾患により、食物を飲んだり食べたりする機能が衰えます。
4 唾液の分泌・口腔粘膜の変化
口腔の粘膜から唾液は分泌されるが、その唾液の分泌が減少し口腔内が乾燥しやすくなります。わかりやすい変化は舌に現れることが多いです。舌が赤くなったり、テカテカと光ったり、口内炎や潰瘍ができることがあります。また口腔内の汚れが舌に蓄積し、舌が白くなったり黒くなったりするがあります。入れ歯を使ってある方は異物感や痛みを感じやすくなったりします。
5 味覚の変化
味蕾(味を感じる細胞)の減少や感受性の低下により、味覚が減少することがあります。
■日常生活で次のことが起こったときのの対処法を述べていきます。
1 よだれが出る、食べ物をこぼす、口が開きにくい
口の周りの筋肉が衰え、食べ物を取り込みにくくなっています。
2 食べる時間がかかる、食べにくい物がある、もぐもぐするが飲み込めない
食物を咬み砕く力が衰えています。
3 上を向いて飲もうとする、なかなか飲み込まない、食べかすが多い
食物を飲み込む機能が衰えています。
4 水でむせる、痰がからんだような声、よく発熱する
食物が食道に入らず気管に入って誤嚥しています。
5 頻繁にお茶を飲む、食べても味がしない、舌・口が痛い
唾液の分泌が減少し、口腔が乾燥しています。
6 入れ歯を入れない、食べる時入れ歯を外す、話がしにくい
入れ歯が合っていません。
1、2、3のような症状には、顔・口唇・首・肩・舌の筋肉や神経系を訓練する体操があります。4の症状は誤嚥性肺炎を引き起こしている可能性があるので、速やかに医科を受診すべきです。5の症状には唾液を分泌する腺の中の3つの大きな唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)をマッサージする方法があります。⑥の症状では入れ歯の調整が必要です。
いずれにせよ、口腔内を清潔に保つことは基本なので、正しい歯磨きの仕方や補助の清掃用具(歯間ブラシ・デンタルフロス・ワンタフトブラシなど)の使い方が大事です。
今回の講演で入居者の方々が皆さんお元気なことや好奇心旺盛なことに驚きました。お年をとられても、自らが望むことを実現する意欲に満ちていました。私たち歯科医師やスタッフが少しでもその助けができれば幸いです。